今年度は大学改革に関わる委員会に入っていて、毎月の会議で一つの決まったテーマについて話し合うことになっている。前回はアクティブ・ラーニングに関する議題で、学生に積極的に学ばせるにはどうしたらよいかを話し合った。次回は人口減少に関するテーマで、大学として何ができるかというテーマのようだ。
世間知らずの小生にはかなり厳しいテーマである。こういうときは、素人が情報のないまま考えても、しょうもないアイデアしか出てこなことを経験から知っている。だから、本やネットで情報収集してから考えるようにしている。
前回のアクティブ・ラーニングのときには
YMN大学のアクティブ・ラーニングに関する資料やUCバークレーでの教育実践例を集めた本
『授業をどうする!―カリフォルニア大学バークレー校の授業改善のためのアイデア集』という図書館にあった本を読んでアイデアをため込んでから会議に臨んだら、まあまあ実のあること(
反転授業とか)を言えた(気がする)。
今回の人口減少も何かないかと調べたら、「ビジネス界のゴッドじいちゃん」大前研一氏の
『人口減少の衝撃 ~少子高齢化の現状と将来課題~』という動画があったのでとりあえずそれを見た。
これを見ると、如何に日本の置かれている状況が深刻で、如何に何も対策を打てていないというのがわかる。ビジネスマン視点なので、煽りと宣伝も含まれてはいるが。
- 人口減少の対策として、真っ先に浮かぶのが移民を受け入れることであり、実際多くの国がこれを実行し、人口減少を食い止めることに成功しているが、日本は移民を受け入れないことを表明している(2014年)ので、この方向での解決は有り得ない。
- 日本では「できちゃった婚」が非常に多い。これは「戸籍制度」という明治時代にできた謎の制度(世界でもこの制度があるのは日本・韓国・台湾だけ)が残っているから、「できちゃった」ら結婚して生むか堕胎(人工中絶)するかという選択に迫られるということの裏返しである。だから、戸籍制度を撤廃して、婚外子を認める社会制度を整えれば子供が増えるが、今の内閣(神*本庁の人々)は戸籍制度を死守する人々で構成されていて、この方向の解決も望めない。
- 地方の過疎化と国全体の人口減少を食い止めるにも、出生率の高い地方(全国平均1.45)から出生率の低い都市部(東京平均1.24)への若者の流出を食い止めなければならないが、今のところ決定打はない。
この動画では、地方から都市部への人口流出がどれだけ深刻かを示す資料として、
日本創成会議の「増田レポート」が紹介されていたので、それに関する動画も一つ見てみた。
このレポートに依れば、2040年までに日本の全市町村(約1800)のうち、約半分が消滅する可能性があるそう。「
消滅可能性都市」の定義は「2010年から2040年の30年間に、20歳~39歳(出産する女性の90%以上がいる層)の女性の人口が50%以上減少すること」だそう。そういう市町村では、出生率を3程度に上げないと人口を維持できなくなるが、この「3」という数字はほぼ不可能(先進国ではせいぜい2が限度)なので、消滅する可能性が高いというロジック。
aktでは96%の市町村が消滅可能性都市に入っている。例外は大規模農場で所得と雇用を生み出している大*村だけ。OMG!!
大学として何ができるか・・・? うぅーーー。厳しい。