昨日のキャンプで久しぶりにタープを張ったけど、下手過ぎて話にならない。「タープを究めたい欲」が沸々としてきた。そうなると、ペグ、ロープ、ポール、ハンマーなどが必要だな・・・と物欲がとまらない。でも、最近気付いたのは、ゼロから趣味を初めて、その趣味を継続させていくコツの一つは、このような物欲と上手く付き合っていく事だということだ。
趣味に成り得る何かを始めるとき、やる前から続くかはわからないのだけれど、始めるに当たって、ある程度の道具が必要になる(「そのために、**体験ツアーとかが用意されてるじゃん」と都会っ子は言うかも知れないけど、田舎にはそんなもんはない!)。でも、続くかわらないのにあまり高い道具を揃えることは出来ない(お金持ち以外は)。多分これが趣味を始めるに当たっての一番高いハードルだ。かといって余りにケチり過ぎてショボい道具だけで始めると、クオリティが下がって「何だ、大変な割りにツマんねーな」となって、「楽しいからどうしても続けてしまう状態」まで辿り着けない。
aktに来てから趣味を見つけようとしたけど、ハマり切れなかったもの(釣り、写真、車、ペン字、・・・など多数)を今になって思い起こしてみると「お金を使わずに楽しんでやろう!」という意気込み(貧乏根性)が強すぎた気がしている。
では、どうすればいいのか。一番良いのは金持ちになって惜しみなく初期投資することかもしれない。多分それが出来るリッチマンは、三日坊主で辞めることも多いし、無駄遣いも多いけど、最終的には本人がのめり込めて、他人からも羨まれるような素敵な趣味を見つけられるのだと思う(クルージングとか?知らんけど)。
かといって、普通の人が惜しみなく初期投資をしてしまうと、いざ三日坊主で終わったときに「負の遺産」(使われない運命にある哀しき一流の道具達)だけが残って、次の趣味(の候補)に出会ったときに、それら負の遺産(と家族)が自分にブレーキを掛けることになってしまう。今はネットオークションやフリマがあるので、使ったお金の何割かは回収できるけど、多少状況が改善されたに過ぎない。
じゃあ、今からリッチマンにはなれそうにない(自分のような)人はどうするか。一言では言えないけど、多分次のような事が大切な気がする。
- 先人の知恵を借りる。今は動画全盛の時代だから、昔はその道のプロにガイドしてもらったり、本を読まなければ入ってこなかった知識が、無料で、しかも相当のスピード感で手に入る(余程マニアックな趣味でない限り)。先人達が「これだけは必要」「これは絶対にお薦め」と言う道具だけを手に入れる。そうすれば、無駄遣いを減らしつつ、そこそこのクオリティで始められるので、出鼻をくじかれる確率がグッと下がる。
- 最低限の道具が揃ったら、その道具だけを使って極力多く経験を積む。この過程で、欲しい物が次々と現れてくるのだけれど、そこは「不便を楽しむ」心意気でグッと堪える。暫くすると嗜好が変わってくることもあるし、「やっぱ要らないわ。買わなくて良かった~」となることも多い。それでも、本当に必要な物に関しては、何度も何度も「あれさえ持っていればな~」という場面に遭遇する。そうなってきたら、いよいよ買えばよい。すると良い買い物が出来て納得できるし、活動のクオリティが上がるので、ますます楽しくなる。
去年くらいから筋トレ・キャンプ・株を始めて、珍しく続いているけど、いろいろ挫折してその辺のバランス感覚が向上したから続いているのかも知れない(株にはまだハマり切れていないけど)。「何か趣味を始めたけど続かなかった」というのは一般的には「合わなかった」「相性が悪かった」と言われるけど、そこで思考停止しないで、初期投資の仕方が間違っていなかったか、と反省してみるのが良いかもしれない。
自分の場合、釣りが典型的かも知れない。初期に随分とケチって「ファミリー釣りセット」的なものを買って始めたけど、リールや竿が直ぐに壊れたりしてテンションダダ下がりみたいな場面が結構あったし、いつまで経ってもファーストステージから抜け出せないでいる。多分に「道具が悪いから釣れなくてもしょうがない」と「釣れる前から道具を揃えるのはどうかと思う」というのを行き来する悪循環に陥っている。この悪しき均衡を崩すには、少し思い切って投資をしないといけない気がしている。というか今では、それさえすれば、釣りはドハマり出来る一生の趣味に転じる気がしている。
遊ぶのが上手な人はどんどん楽しみを見つけていくし、下手な人はずっと下手だという事実は、お金の使い方にも関係しているのではないか。お金を掛けずに楽しめてしまう《遊びの天才》も世の中には居るようだけど、多くの人はそうではない。