2014年10月18日土曜日

【映画鑑賞の記録】021~

023:『カポーティ』(Capote,2005,米,★★★★☆).アメリカの小説家トルーマン・カポーティを題材にした映画.トルーマン・カポーティは日本では「ティファニーで朝食を」で知られた作家.主演のフィリップ・シーモア・ホフマンはアカデミー主演男優賞を獲得している.個人的にフィリップ・シーモア・ホフマンは大好きだが,この映画での彼は,役柄だからしょうがないものの少々気持ち悪い.田舎町の一家殺人事件を追って現地に赴き,逮捕された犯人に取材をしてノンフィクション小説を書く.ノンフィクション小説というジャンルを築いたのが彼本人らしい.取材を続けるうちに,犯人との間に友情が芽生えて苦悩する.

022:『クリムゾン・リバー』(Les Rivières Pourpres,2000,仏,★★☆☆☆).ジャン・レノにつられて観たが面白くなかった.というか,ストーリーを理解できなかった自分がアホなのか.

021:『最高の人生』(詳細不明,★★★★★).ダニエル・デイ・ルイス主演の米映画.情報が見つからないので動画なし.主人公は昔,酒屋強盗をして店員の青年を殺害し服役している.模範囚のため早期出所するが,罪の意識から世間に馴染めないまま過ごす.仕事を探し,駐車場の管理人をすることになるが,そこで牧師らしからぬ牧師(モーガン・フリーマン)に出会う.そして,罪滅ぼしのために殺害した青年の姉に接近していくが・・・.

【名言・格言・諺】 001~


007

Any man who reads too much and uses his own brain too little falls into lazy habits of thinking.(多読するだけで自身の脳を少ししか使わない者は,怠けた思考の習慣を身に付けるだろう.)

Albert Einstein

ショーペンハウエルが『読書について』で言っていることと同じである.読書という行為は他人の頭で考えてもらう行為であるから,読書ばかりしている人間は思索することを忘れる,とショーペンハウエルは言う.

---

006

An expert is a man who has made all the mistakes which can be made, in a narrow field.(専門家とは,ある狭い分野において,考えられる全ての間違いを犯したことがある者のことである.)

Niels Bohr

専門家とはその分野のことをよく知っている,またはその分野で何かを成し遂げた人のことである,と考えがちである.それらも間違いではない気がするが,このボーアの言葉以上に「エキスパート」を的確に表している言葉を小生は知らない.

---

005

一時間幸せになりたかったら酒を飲みなさい.三日間幸せになりたかったら結婚しなさい.八日間幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい.永遠に幸せになりたかったら釣りを覚えなさい.

中国の諺

ネットで釣りに関する情報を収集していたら,釣りに関する名言や諺が沢山あることを知った.その中でも中国の諺と言われるこの言葉は極端だが魅力的.いくつかバージョンがあるそう.

---

004

No, no, you're not thinking; you're just being logical. (いやいや,あなたは考えているのではない.論理的であろうとしているに過ぎない.)

Niels Bohr

20世紀初頭,量子力学の構築に主導的役割を果たしたデンマークの物理学者ニールス・ボーアの言葉.ボーア率いるコペンハーゲン学派による量子力学の確率解釈に懐疑的であったアインシュタインとの激しい論争の中で発せられた言葉だと思う.量子力学的な微視世界では古典物理学の決定論が確率論に取って代わられる.だから,自然を理解するのに,それまでの常識・論理が通用しなくなる.論理を絶対視しがちな数学者・哲学者にとって「自然をありのままに直視せよ」とも聞こえるこの言葉は刺激的で,物理学者の端くれである小生は座右の銘にしている.

---

003

Work expands so as to fill the time available for its completion.(仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する.)

Cyril Northcote Parkinson

小生は高校生か浪人生のときにこの言葉を知って,いつもノートに書き留めていた記憶がある.どこかの国の諺かと思っていたが,調べてみればパーキンソンという英国の政治学者の言葉らしく,パーキンソンの法則という名前まで付いているとのこと.仕事の締め切りまでに十分な時間があっても,結局提出は締め切りの前後になるし,講義をしていると,板書の量は毎授業違うのに書き終えた途端90分を迎える,などの現象は全てこの法則に則っている気がする.

---

002

最高に到達せんと欲せば最低から始めよ.

Publius Syrus

「急がば回れ」に似ている言葉だと思う.ある分野を極めたいと思って,その分野の文献を読む.書いてあることは取り敢えず理解できた.でも,基礎的な勉強をしていないから応用できない.ということはよくある.結局,何かを極めようとしたら,面倒くさがらず,恥を忍んで,その分野の「いろは」からやる必要がある,という言葉だと思う.

---

001

The most incomprehensible thing about the world is that it is comprehensible. (この世で一番理解しがたいことは,この世が理解できることである.)

Albert Einstein

自然科学者には非常にしっくりくる言葉だが,文系の人には意味不明な言葉である,ということを最近知った.この世は複雑怪奇で無数の偶然から成り立っているように思われる.しかし,人類は自ら数学という自然を記述する言語を創造し,この世の出来事(の殆ど)を記述する物理法則を見出した.神は何故,数えられるほど少数の法則だけで説明されるこのような単純な世界を作ったのか,そして人類は何故,そのような法則を見つけられる程の知性を持ち合わせているのか,それらこそが理解に苦しむ,驚愕に値する事実である,というアインシュタインの思いが詰まっている言葉である.アインシュタインは次のような言葉も残している:「私たちの生き方には二通りしかない.奇跡など全く起こらないかのように生きるか,すべてが奇跡であるかのように生きるかである.」

2014年10月17日金曜日

ペーパータオルホルダー・漫画喫茶・ランチ会

10月5日(水):研究室改造は細々と続いているのであった.だいぶ前に100円ショップで鏡を買ってきて水道の上に付けたが,この日は更にペーパータオルホルダーを付けた.これで手洗い用のタオルを置いておく必要が無くなり洗濯の手間が省ける.

サイズLのものを付けたのでペーパーが沢山入ってよい.

---

夜はAKT駅前の居酒屋で所属部署に10月から赴任してきた先生二人の歓迎会.珍しく部署の教員全員が参加して大人数の会になった.この日の小生は,秋田Cで授業があったので,車でAKTキャンパスに向かい,歓迎会で飲まずに某先生(年上の教授先生)を乗せて,本荘に帰ってくる予定であった.22:40頃2次会が終わり,帰ることになって駐車場へ向かうと・・・.なんと22:30で閉まっているではないか・・・・.某教授には平謝りして許しを頂き,仕方ないのでホテルに泊まることに決定した.がしかし,どこのホテルも国民文化祭のせいでいっぱいであると言うことに程なくして気付く.二人で困り果てていたが,妙案が思い浮かんだので某教授に勇気を出して提案してみた:「漫画喫茶なら1,500円で泊まれるようですが・・・,如何なさいましょう?」,すると某教授「じゃあ,行ってみましょうか」とあっけなく受け入れてくれた.オッサン二人で漫画喫茶に泊まってみた.小生は結構寝られたが,某教授はあまり寝られず,しかも明け方になって隣の個室にカップルが入室してきて・・・.本当に申し訳ないことをした.反省.

---

10月6日(木):ウチの大学の事務職員(女性)に宇宙大好き人間の方がいらっしゃる.聞くところによれば,宇宙が大好きすぎてまだ3歳の息子さんを宇宙飛行士にするべく教育を開始しており,近い将来NASAを見学するためにアメリカに旅行するとかしないとか.そんなわけで物理学者の端くれである小生に宇宙の話を聞きたくてしょうがないらしい.でも,なかなか一人では気が引けるらしく,この日,女性職員4名を引き連れてランチ会を計画してくれ,小生はそこで宇宙について講義をすることになった.昼休みに小さな会議室を貸し切って,上等な弁当を御馳走になりながら,宇宙に関する話しをした.女性5人にランチを御馳走になるという夢のような時間を過ごしたが,終わった後は,他の男性教職員に見られないよう逃げるように研究室に戻ったのは言うまでもない.


2014年10月13日月曜日

男鹿・湯瀬温泉・姫の湯・田沢湖・安藤醸造所・芸術村・ゆぽぽ

10月11~13日(2泊3日)の日程でAKT県内を旅行.初日は友人をAKT空港まで迎えに行き,そのまま男鹿へ.入道埼でウニいくら丼などを食らう.

友人の食べた石焼き鍋(漁師汁).数種類のブツ切り魚が入った樽に焼けた石を入れる.

「なまはげ館」へも初めて行ってみた.




1泊目に泊まったのは湯瀬温泉の「和心の宿 姫の湯」.




ホテルロビーに展示されていたビンテージバイク.奥からTriumph Bonneville T140,みずほ自動車製作所 Cabton,Kawasaki 650-W1,富士産業 Rabitt.

有名な玉川温泉も近いらしい.

二日目は田沢湖へ.途中,山の上の方は紅葉していた.







途中,AKT新幹線こまちと併走した.


角館へ.「しろだし」という出汁が有名な「安藤(味噌・醤油)醸造元」へ行ってみた.



角館のお店「しちべぇ」で緑豆稲庭うどんを食べてみた.角館は物価が高い.

田沢湖のたつこ像

魚がいっぱい.


2泊目の宿は「たざわこ芸術村」にある「ゆぽぽ」.来るのが3回目なので,ホッとする自分がいた.



最終日は横手の「AKTふるさと村」へ.県立美術館があるので庭にはアート作品が飾ってある.


「ワンダーキャッスル」という施設にはこんな「だまし絵」などのトリックアートが沢山ある.

昼食は横手やきそば.

全く美味しいと思わないがAKT名物のバター餅(左)と,めでたいときに食べるそうな餅.いろいろな味があるよう.

【大学教員への道】 模擬授業

大学でのアカデミックポストの選考は書類選考(一次審査)+面接(二次審査)が定番であるが,ときに面接は模擬授業を含むことがある.また,大学の理事会が人事に高い関心・権限をもつ大学では,上記の面接の後に役員面接(三次審査)が入ることもあるようだ.

今日は模擬授業について書きたいと思う.ただ,小生は現在のポストを得るまで6回の面接を経験したものの,そのうち模擬授業を含むのは1回だけだったので一般論を書くことはできない.一つの事例として捉えて頂きたい.また,結果的には不採用であったことも言い添えておく.

応募から採否通知までのスケジュールはここで述べたところの書き方では以下のようである.

【関東地方理科系私立大学(助教)】 
応募〆切:9月10日
面接通知:9月24日(14日後)    
面接+模擬授業:10月15日
採否通知:10月19日(不採用)

書類選考を通過した知らせは電子メールで届き,そのメールに面接の日程などが書かれた文書が添付されていた.(不採用の通知は郵送されてきたような気がする.)面接当日のスケジュールは次のようだった.
  • 研究発表20分+質疑応答10分
  • 模擬授業20分+質疑応答10分
  • 会食および懇談30分
最後の「会食および懇談」というのを見たとき,「!?」となったが,「面接後に昼食に誘われ,そこでの談笑が本番の面接だった」という恐ろしいエピソードも聞いたことがあったので,その手のものだという察しは付いた.もしかしてナイフとフォークが出てきて食事するのか?とも思ったが,実際にはケーキと紙コップ入りのコーヒーが出され,(少し油断をさせた上で)面接の続きをやるという感じのものだった.

面接官は12,3人いた記憶がある.この採用人事にかかる委員会から5,6人の教授陣が出席し,物理を教えているその他の先生方(准教授や助教の方々)も応援要員として出席しているという感じだった.

ちなみに,面接官の人数は大学によってまちまちである.小生の経験では,最少は3人,最多は14,5人であった.印象としては,お堅い大学(伝統ある大学や採用などに関してキチッとしたマニュアルがある大学)ほど面接官の人数が少ない傾向にある.また,関連分野の教員がその大学に少ないから少人数だろうと油断していると,人海戦術的に大人数で面接をしてくる場合もある(向こうも必死なのである)ので注意が必要である.先方から面接の概要を教えてくれる場合などを除いて,面接官の人数を前もって知るのは難しいと言えるだろう.

さて,問題の模擬授業の内容だが,物理教員としての採用だったので,理工学の一般教養として教える機会の多い「力学」の中からトピックが5つほど与えられ,そのうち一つを選択し「もしそのトピックを中心として90分の授業を行うなら,どのように授業を組み立てるか」を20分で話すというものだった.(そういう意味では「授業の内容を説明する」というもので,本来の意味での模擬授業とは違う性格のものだ.)ただし,受講者は高校で「物理Ⅰ」のみを履修し,「物理Ⅱ」は取っていない学生という条件が付いていた.自分は慣性力というトピックを選んだと記憶している.

パワーポイントを用いた20分のプレゼンの後に出た質問としては
  • トラペに書いてあることを90分の授業で全て話せるのか?
  • 慣性力を教える前に,慣性系の定義は既に教えてあるのか?
  • 四則演算が不自由な学生に物理を教えたことはあるか?
  • 自身が苦手だった数学を克服した経験があるらしいが,どうやったのか?
  • 5つのトピックのうち,何故「慣性力」を選択したのか?
  • 今回の発表のような初等的な説明で授業を展開するのは初めてか?
  • 過去に教えたことのある学生は高校で「物理Ⅱ」も履修済だったか?
などであった.

初めての模擬授業とあって少し気負い過ぎ,内容を詰め込みすぎたのかも知れない.ちなみに,小生はその時点で,いわゆる学力トップクラスの大学で「力学」を含む科目に対して非常勤講師として教育経験があったが,面接官はトップクラスでない大学での教育が本当に出来るかをかなり心配しているようだった.その線の質問には,塾・家庭教師・予備校でのアルバイトの経験や,自分がどのように苦手科目(数学)を克服してきたかを必死に語った記憶がある.このとき思ったのは,採用する側は「この人がウチの大学の教壇に立ったらどうなるか?」というのをコチラ側より遙かに強く意識しているということである.

2014年10月8日水曜日

Gmail・夕陽・紅葉・ポケモン200体記念・アルハンブラ宮殿・ヘッドランプ・皆既月食

9月29日(月):自分はGmailを使っているが,受信トレイのメールを全てアーカイブしてしまうと,写真のような太陽(ヒマワリ?)マークとメッセージが現れることに最近気が付いた.(あたかも仕事が全て終わった気になって)気持ちがいい.

大学の駐車場から見た夕陽.

夕陽に照らされた稲穂と電車.

9月30日(火):だいぶ紅葉も進んで,落葉も始まっている.

10月1日(水):ポケモンお絵描き200体をケーキでお祝い.100体記念のときより,ええケーキ.

10月2日(木):高校数学の教科書を見ていたら,スペイン・グラナダのアルハンブラ宮殿の噴水の写真が載っていた.この宮殿に自分も2010年に行ったが,観光客が多くていい写真がとれなかったこと,更に悪いことに,パソコンがクラッシュして大部分の写真が消失した記憶がある.

10月4日(土):イカがなかなか釣れない.秋のアオリイカは昼間でも釣れるらしいが,やはり朝や夜がいいという人もいる.ということで土曜の早朝夜明け前から西目の海へ行ってみた.

堤防にはイカ墨の跡が.これはイカが釣れている証拠なのだが・・・.

海が荒れ放題で全然ダメだった.無念.

明け方のイカ釣りで大活躍するハズのヘッドライト.1,800円もしたから否が応でも活躍してもらう.

10月8日(水):後期の授業が始まって2週目.後期は一つが演習科目だが,うちの学生は「周りの人と相談しながら問題を解いてもいいよ」と言ってもなかなか相談しない.そこで今日は,受講生を5,6人の班に分けて,各班で自己紹介させたりした後に演習してもらった.が,あまり盛り上がっているようには見えなかった.試行錯誤しながらイロイロやっていくしかなさそうだ.

今日は皆既月食.19:17頃の我が家のベランダから見た月.

19:37頃.ほぼ全部隠れた.