株取引には、銘柄の選別法としてテクニカル分析(チャートと睨めっこ)とファンダメンタルズ分析(財務諸表と睨めっこ)に分けられ、売買の期間によって、デイ・トレード(1日のうちに売買をする)、スウィング・トレード(数週間中に売買する)、長期投資(数ヶ月~数十年で売買する)などに分けられる。この本の特徴は、株全般に関する基本的事柄と、全ての分析・全てのトレード方法の基礎を、図を用いて広く浅く解説している点である。
非常に解りやすく説明しくれているが、出てくる用語の多さは半端ではないので、ここに書いてあることだけで、それらを全て理解するのは無理がある。だから、ネットなどで随時調べながら読んでいくと、膨大な量の知識が身に着けられると思う。
何も知らない小生にとっては全てが目新しくとても勉強になったが、個人的に印象深かったのは
- 世界の証券取引所のシェア(NY証券取引所24%、NASDAQ9%、東証7%、ロンドン6.8%・・・)と東証は世界でも3番目に大きいマーケットであることや、東証では外国人投資家の割合が半分以上を占めている点。
- 株価に影響を与える世界の経済指標(米国雇用統計、米国FOMC、日銀短観、GDPなど)に注目すべきだということ。
- EPS(Earnings Per Share;一株当たり利益)、PER(Price Earnings Ratio;株価収益率)、PBR(Price Book-value Ratio;株価純資産倍率)などの代表的な株価指数の見方。
- HFT(High Frequency Trading)と呼ばれるコンピュータを使った高速自動売買の台頭。
- テクニカル分析の基礎(酒田五法、トレンドライン、移動平行線、高値ブレイクなど)。
など程よい量の情報がコンパクトにまとまっていた点である。
勝間和代の本を読んで、取り敢えず株式投資を今すぐ始める気は失せてしまったが、将来やるかもしれないし、金融リテラシーの一環として非常に勉強になった一冊だった。ちなみに、この著者が書いた機関投資家の裏話的な『株式ディーラーのぶっちゃけ話』という本も相当面白いみたいだ。そのうち読みたいと思っている。