2014年10月18日土曜日

【名言・格言・諺】 001~


007

Any man who reads too much and uses his own brain too little falls into lazy habits of thinking.(多読するだけで自身の脳を少ししか使わない者は,怠けた思考の習慣を身に付けるだろう.)

Albert Einstein

ショーペンハウエルが『読書について』で言っていることと同じである.読書という行為は他人の頭で考えてもらう行為であるから,読書ばかりしている人間は思索することを忘れる,とショーペンハウエルは言う.

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006

An expert is a man who has made all the mistakes which can be made, in a narrow field.(専門家とは,ある狭い分野において,考えられる全ての間違いを犯したことがある者のことである.)

Niels Bohr

専門家とはその分野のことをよく知っている,またはその分野で何かを成し遂げた人のことである,と考えがちである.それらも間違いではない気がするが,このボーアの言葉以上に「エキスパート」を的確に表している言葉を小生は知らない.

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005

一時間幸せになりたかったら酒を飲みなさい.三日間幸せになりたかったら結婚しなさい.八日間幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい.永遠に幸せになりたかったら釣りを覚えなさい.

中国の諺

ネットで釣りに関する情報を収集していたら,釣りに関する名言や諺が沢山あることを知った.その中でも中国の諺と言われるこの言葉は極端だが魅力的.いくつかバージョンがあるそう.

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004

No, no, you're not thinking; you're just being logical. (いやいや,あなたは考えているのではない.論理的であろうとしているに過ぎない.)

Niels Bohr

20世紀初頭,量子力学の構築に主導的役割を果たしたデンマークの物理学者ニールス・ボーアの言葉.ボーア率いるコペンハーゲン学派による量子力学の確率解釈に懐疑的であったアインシュタインとの激しい論争の中で発せられた言葉だと思う.量子力学的な微視世界では古典物理学の決定論が確率論に取って代わられる.だから,自然を理解するのに,それまでの常識・論理が通用しなくなる.論理を絶対視しがちな数学者・哲学者にとって「自然をありのままに直視せよ」とも聞こえるこの言葉は刺激的で,物理学者の端くれである小生は座右の銘にしている.

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003

Work expands so as to fill the time available for its completion.(仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する.)

Cyril Northcote Parkinson

小生は高校生か浪人生のときにこの言葉を知って,いつもノートに書き留めていた記憶がある.どこかの国の諺かと思っていたが,調べてみればパーキンソンという英国の政治学者の言葉らしく,パーキンソンの法則という名前まで付いているとのこと.仕事の締め切りまでに十分な時間があっても,結局提出は締め切りの前後になるし,講義をしていると,板書の量は毎授業違うのに書き終えた途端90分を迎える,などの現象は全てこの法則に則っている気がする.

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002

最高に到達せんと欲せば最低から始めよ.

Publius Syrus

「急がば回れ」に似ている言葉だと思う.ある分野を極めたいと思って,その分野の文献を読む.書いてあることは取り敢えず理解できた.でも,基礎的な勉強をしていないから応用できない.ということはよくある.結局,何かを極めようとしたら,面倒くさがらず,恥を忍んで,その分野の「いろは」からやる必要がある,という言葉だと思う.

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001

The most incomprehensible thing about the world is that it is comprehensible. (この世で一番理解しがたいことは,この世が理解できることである.)

Albert Einstein

自然科学者には非常にしっくりくる言葉だが,文系の人には意味不明な言葉である,ということを最近知った.この世は複雑怪奇で無数の偶然から成り立っているように思われる.しかし,人類は自ら数学という自然を記述する言語を創造し,この世の出来事(の殆ど)を記述する物理法則を見出した.神は何故,数えられるほど少数の法則だけで説明されるこのような単純な世界を作ったのか,そして人類は何故,そのような法則を見つけられる程の知性を持ち合わせているのか,それらこそが理解に苦しむ,驚愕に値する事実である,というアインシュタインの思いが詰まっている言葉である.アインシュタインは次のような言葉も残している:「私たちの生き方には二通りしかない.奇跡など全く起こらないかのように生きるか,すべてが奇跡であるかのように生きるかである.」