2014年10月4日土曜日

【映画鑑賞の記録】011~020

020:『オーケストラ!』(Le Concerto,2009,仏,★★★★★).ロシアのボリショイ劇場で清掃夫として働く主人公はかつて天才指揮者として活躍したが,共産主義政府によるユダヤ人排除活動に従わなかったた楽団を追われた過去をもっている.ペテンを働き,昔の劇団仲間と共にパリの劇場で演奏するチャンスを得て,一世一代の賭に出るが・・・.チャイコフスキーのバイオリン協奏曲を中心に,登場人物の人生が入り乱れ,クライマックスで全てが明らかになる.素晴らしい.

019:『ハート・ロッカー』(The Hurt Locker,2008,米, ★★★★☆).イラク戦争におけるアメリカ軍・爆破物処理班の話.無謀な行動でチームを危機に陥らせる軍曹が初め憎たらしいが,段々とその人物像に惹き付けられていく.そして,彼は戦場での抑揚感に中毒となった犠牲者であると気付かされる.世界各国で映画賞を総ナメにしたらしく,アカデミー賞では作品賞,監督賞,オリジナル脚本賞,編集賞,音響効果賞,録音賞を受賞している.

018:『告発のとき』(In the Valley of Elah,2007,米,★★★★☆).実際の事件に動機付けされた物語.イラクから帰還した息子が軍から無断離脱したことを知らされるの父(トミーリー・ジョーンズ).元軍人の父は独自の調査を開始すると,待っていたのは息子の無残な死と,戦争に蝕まれた若者達の心の闇だった.

017:『12モンキーズ』(Twelve Monkeys,1995,米,★★★★★).人類が病原ウィルスによって滅亡寸前となっている2035年,囚人の主人公(ブルース・ウィルス)は,特赦を条件に科学者達から過去に遡ってウィルスを撒き散らしたとされる集団12モンキースの調査を依頼される・・・.タイムパラドックス的な出来事が次々と起こり,多少頭が混乱するが,最初から最後まで夢中になって,最後は頭がスッキリする.精神病患者として登場するブラッド・ピットがよい.

016:『ノーカントリー』(No Country for Old Men,2007年,米,★★★★☆).コーエン兄弟の監督としての名声を確立したと言われる作品.アカデミー賞,作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞を獲得.メキシコ国境付近の荒野で麻薬取引で宙ぶらりんとなった大金を手にする主人公と,それを追う殺し屋.出会った人間は全て殺すと言わんばかりの殺し屋(ハビエル・バルデム)の存在感がもの凄い.

015:『ユージュアルサスペクツ』(The Usual Suspects,1995,米,★★★☆☆).アカデミー脚本賞,アカデミー助演男優賞(ケビン・スペイシー)受賞.大どんでん返しがあると聞いて期待して観てしまったのが災いしたか,あまり楽しめなかった.

014:『小説家を見つけたら』(Finding Forrester,2000,米,★★★★☆).ニューヨーク・ブロンクスに住む黒人青年が,かつて一遍の小説を書いて表舞台を去った幻の小説家フォレスター(ショーン・コネリー)に出会い,友情を育むと共に才能を開花させていく.

013:『聖者の眠る街』(The Saint of Fort Washington,1993,米,★★☆☆☆).マット・ディロンとダニー・グローバー出演のホームレスの話.二人の俳優が好きなので観たが,久々にしょうもない映画を観た感あり.YOUTUBEに動画がないので,マット・ディロンが一番格好良かったであろう頃の作品『ランブル・フィッシュ』の動画.この映画はフランシス・コッポラ作品で,他にもミッキー・ローク,ダイアン・レイン,ニコラス・ケイジなどが出ている.マット・ディロンはミッキー・ロークの弟役(だった気がする).

012:『ディア・ハンター』(The Deer Hunter,1978,米,(★★★★☆).主演はロバート・デ・ニーロ.その他,クリストファー・ウォーケン,メリル・ストリープなどが出演している.ベトナム戦争で捕虜となり,ベトナム兵からロシアンルーレットを強要される若者達.帰還後もそれをトラウマとして抱えつつ人生を歩む彼ら.(最近まで『Dear Hunter』だと思っていた.恥ず!)

011:『ベルリン:天使の詩』(Les Ailes du désir,1987,仏&西独,★★★★★).おっさんの姿をした天使が主人公.モノクロ映像で,多くの台詞が詩となっている独特の世界観.ずっと観ていたい気分にさせられた.見終わった後,久々にヘッセの詩集なぞ読んでみた.