先週,大学の労組が企画した勉強会があった.テーマは今年4月1日から施行された新たな労働契約法について.弁護士の方が講演をしてくれるというので聴講してきた.
新たにできた労働契約法とは,簡単に言えば,5年を超えて労働契約が更新された場合,労働者が望んだら使用者は必ず無期契約に転換しなくてはならないという凄い法律だ.もちろん労働者を守るためにつくられた法律だが,使用者が正社員・正規職員を急に増やすのは不可能だから,5年を超えての更新はしないといった雇い止めの行動にでると当初から懸念されていた.そして現実にそういう動きが,大学業界でも大手を中心に見られ始めた.昨日のニュースでは,早稲田大が非常勤講師を5年までしか連続雇用しないと決め,非常勤講師の団体がその決め方が違法として刑事告発するという事件が報道されていた.
通常,大学は沢山の非常勤講師を雇用しているから,多くの大学が非常勤講師との間でこの件に関して何かしらの摩擦を起こすことは確実である.しかし,小生の大学では,この法律の施行が全ての教員に関わってくるという特殊な事情がある.というのは,助教・准教授・教授全ての職階の教員が5年任期で雇用されているからである.准教授・教授に更新回数の制限はないが,助教は1回のみという制限がある.(2015年4月追記:この制限は昨年度なくなったようである.)
という事情のところへ,さきの新たな労働契約法が施行されたら何が起こるか.近い将来(約5年後),無視できない数の教員が無任期雇用への転換を申し出る可能性が出てくる.勿論,そのようなことは大学側も予想しているから,それを抑制するために何かしらの策を講じることも想像される.ただ,もうこの辺の話になると,法律もできたばかりで前例がないため,全てが憶測の域を出ない.弁護士の先生然りの様子であった.